令和3年8月23日
医療関係者各位
補助人工心臓治療関連学会協議会
代表 澤 芳樹
HVAD®︎の特例使用についてのお知らせ
日頃は、補助人工心臓治療関連学会協議会の活動にご支援ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
既にご存じのことと思いますが、令和3年6月3日に日本メドトロニック社から通達のございましたように、「植込み型補助人工心臓システムHVAD」の供給及び販売が停止され、現在のところ新たに使用できない状況となっております。
これに対して、他機種での代替使用が困難な症例にだけでも使用できないかという多くの要望が協議会に寄せられました。
そこで、8月16日に米国メドトロニック本社と協議し、日本国内におけるclinical exemption(人道的・臨床的観点からの例外使用)について検討し、以下のごとく合意に至りました。日本国内で使用可能な血液ポンプは29台(既に製造ラインが止まっているため、世界市場に残存し融通可能なポンプ数)、植込み手術の期限は2022年4月30日まで(再滅菌不能であるドライブライン延長ケーブルの滅菌期限)です。
本特例使用は人道的見地からの限定的な使用ですので、適応基準は以下のようになります。
- ① 体重40㎏未満もしくは体表面積1.3m2未満の症例のHVAD血液ポンプ交換
- ② 体重40㎏未満もしくは体表面積1.3m2未満の症例でEXCORの使用が困難な症例
- ③ 代替する植込型補助人工心臓(HeartMate3等)が使用できない施設
- ④ 他の植込型補助人工心臓(HeartMate3等)での代替が外科的に困難な症例のHVAD血液ポンプ交換
- Less than 40kg and/or BSA* less than 1.3 + currently on HVAD and needing a pump exchange (e.g. HVAD pump thrombosis)
- Less than 40kg and/or BSA* less than 1.3 and not on HVAD
- Berlin Heart is not an option due to the inability to discharge the patient
- Berlin Heart not available (Pumps and drivers)
- More than 40 kg and no other device available or not fully trained on the device
- Special surgical considerations (e.g challenging redo operation) for patients on HVAD: implantation of alternative device is extremely challenging
今後のHVADの使用に際しては、以下の3点に従ってください。
- ① 特例使用における適応基準を順守してください。(特にHeartMate3では代替できない理由を明記してください。)
- ② 適応に関して判断が難しい場合には、補助人工心臓治療関連学会にご相談ください。
- ③ 植込み手術の前日までに別紙のチェックリストを補助人工心臓治療関連学会に提出してください。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
<お問い合わせ・ご連絡先>
補助人工心臓治療関連学会協議会
E-Mail: vad-adm@umin.ac.jp